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ごあいさつ

おかがき病院 院長 竹之山 利夫

2016年10月

 今年の夏は凄(すさ)まじい、猛暑と、集中豪雨で、多くの人々が苦しみました。9月6日の西日本新聞の朝刊で劇作家の岩松 了 氏が、「夏があまりにも夏すぎて」と表現されていましたが、本当に猛烈な勢いに圧倒されました。
 10月に入り朝・夕は幾分涼しくなりましたが、日中の最高気温が30度を超える日もあります。先日、新聞で「和の博多はじまる」という記事を見つけ、その中の「手ぬぐいスタンプラリー」(写真①)に参加しました。御存知の通り、那珂川の東側を「博多」と呼びますが、500円で買った手拭いにスタンプを押して、自分だけの「博多手拭い」を作りませんかとの企画です。スタンプを押すのが結構難しく、強く押しすぎると、滲(にじ)んでしまい、赤い固まりになってしまいます。私なりに工夫して、「3秒ルール」という方法を考案しました。3秒間だけ優しく押すと、きれいに押せます。バスケットボールのペナルティエリアの制限時間を捩(もじ)って命名しました。ラリーの途中の櫛田神社では、清楚な桔梗(写真②)が咲いていました。つぼみの状態では花びら同士が風船のようにぴたりとつながっています。そのため "balloon flower" という英名を持っています。蕾(つぼみ)が徐々に緑から青紫に変化し、裂けて星型の花を咲かせます。このような発見があるかも知れませんので、楽しくてためになる「歴史探し」の街歩きはいかがでしょうか。

 さて、今回は常日頃病院で見聞きする、気になる言葉、言い方、慣用表現について、一緒に考えてみたいと思います。五十音順で12種類あります。①患者様:私は脳腫瘍と診断されて、手術を受けました。3年間続いた頭痛の原因が脳腫瘍であるとわかった時は絶望的でした。そんな時に、患者様と言われても、全く嬉しくはありませんでした。日本語学者の金田一春彦氏の「日本語を反省してみませんか」という著書の中で「患者」という言葉自体がすでに悪い印象を与えるので、いくら「さま」をつけても敬意を表すことにはならないと書かれています。「患者さん」が正しい表現です。
②ギャッチアップあるいはギャッジアップ:Dr. Willis D. Gatch (1878-1954) (インディアナ医科大学外科部の議長) が機械的に(あるいは後に電動)分割され、患者の頭部か足(実際は膝)を上げる機能を備えたベッドを発明しました。これを通称“ギャッチベッド”と呼び、火傷をはじめ、多くの疾病の治療に貢献しました。ギャッチ博士が上げられたりするように聞こえるので、ベッド挙上と表現した方がよいと思います。
③今朝(こんちょう):夜勤の申し送りで、よくこの表現を聞きます。軍隊用語のように響きます。「本日何時に」という表現の方が良いと思います。④体熱感(熱感):あくまでも本人が、熱があるような気がするという意味です。患者さんの肌に触れて熱く感じると誤用されることがあります。⑤タキル:頻脈であるという意味ですが、ラテン語・英語でtachycardiaと表記します。語源はギリシア語のtakhus=swift(速い)、kardia=heart(心臓)に由来します。時々「タギル」と表現する人がいますが、お湯が煮え滾(たぎ)るような緊迫感を連想するのでしょうか。間違いです。⑥熱発(ねっぱつ):ドキッとします。発熱(はつねつ)でよいでしょう。⑦パット:Pad(パッド)のことを間違って言うことがあります。パット(putt)はパター(putter)でゴルフボールをヒットすることです。⑧ベット:ベッド(bed)の間違いです。⑨マーゲンチューブ:「マーゲン」は独語で「チューブ」は英語です。正しくは日本語なら胃管、英語ならgastric tube、独語ならmagen sonde(マーゲン ゾンデ)です。⑩孫の手:正しくは「麻姑の手」です。中国の伝説上の仙女(写真③)で鳥のように長い爪を持っており、痒いところを掻いてもらったら気持ちがよいだろうということで名付けられました。1500年前に伝わり、現在の「孫の手」の形に少しずつ変化してきたので、現代では「孫の手」という言い方は市民権を得ているでしょう。⑪ラクノミキ:正しくは「薬呑器(やくのみき)」(写真④)です。吸い飲み(すいのみ、feeding cup、吸飲み、吸い呑み、吸口)のことで病人が寝たままでも水を飲めるようにした容器のことです。当院の売店では、馬野化学容器株式会社の製品が販売されており、会社に問い合わせたところ、「薬呑器(やくのみき」として販売していますと回答がありました。⑫流涎(りゅうえん):正しくはりゅうぜんです。漢字の音は、呉音、漢音、唐宋音がありますが、「涎」はもともと呉音で「ぜん」、漢音で「せん」と発音し、「ぜん」と言うことが多いようです。訓では「よだれ」ですので、よだれが口角から流れ出ることであり、脳卒中の早期診断等で、非常に重要なサインです。慣用読みで「すいえん」とも言っているようですが、好きではありません。 
 ところで、今年のノーベル医学生理学賞に大隅 良典氏が「オートファジー(自食作用)の仕組みの発見」で、単独で授賞されました。福岡市東区香椎出身で福岡高校の卒業生です。10月4日の朝日新聞によれば、5年前の福岡高校の講演で「四ヵ条」を後輩に授けられました。(1)「自分の目で確かめよう」(2)「はやりを追うのはやめよう」(3)「小さな発見を大切にしよう」(4)「さまざまな面からじっくり考えよう」含蓄ある内容です。私達も目標とすべき事が網羅されています。
 最後に経営状態ですが、今年度の上半期(4~6月)は昨年並みの黒字経営を続けています。地域総合支援センター(通所リハビリ、重度認知症デイケア、ショートステイ、ケアプランセンター)も少しずつ軌道に乗っています。
 日中の寒暖の差が大きく、異常気象や大規模な自然災害のニュースが毎日報告されています。皆様も御自愛下さいますように、心からお祈り申し上げます。
                                                                                                            平成28年10月吉日 竹之山 利夫


 

過去のごあいさつ

  • 一般社団法人 遠賀中間医師会 会長 津田 文史朗
  • おんが病院・おかがき病院 統括院長 杉町 圭蔵
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